
目標を達成するには、モチベーションを高めることが不可欠です。しかし、モチベーションを上げられずだらだら過ごしてしまったり、あきらめてしまうという経験が多くあるのではないでしょうか。
ではなぜ、仕事や勉強のやる気のスイッチが入らないのか、今回は、モチベーションが上がらない理由と対策、モチベーションの効果的な上げ方を詳しく解説していきます。
モチベーションが上がらない5つの理由
目標が明確ではない
「モチベーション」とは人が行動を起こす意欲や、やる気をさします。しかし、何を目指しているのかがはっきりしない場合、やる気を上げることはできません。
まず何を目指しているのか目的や目標をはっきりさせることが必要となってきます。
目標が高すぎる・低すぎる
簡単に到達できなそうな目標を掲げていると、テンションがあがりませんし、逆に目標設定が高すぎると現実味を帯びず、その目標にたどり着くことが無理な気がしてしまいます。結果、目標を達成する前にモチベーションを下げる原因となってしまいます。
周囲のモチベーションが低い
モチベーションを高く保つためには、周りの環境も大切です。同じような目標を持っている人が周囲にいると頑張りやすいものですが、逆に周りのモチベーションが低いと、自分自身のモチベーションを高く持ち続けることは難しいです。
好きではないことをやっている
自分の好きなことに対しては、どんな努力や苦労も惜しくないものです。しかし、達成しようとしている目標が周囲から与えられたものである場合、自分が本当にやりたいことではないものである場合は、モチベーションを持ち続けることは難しくなってしまいます。
頑張っても評価されない環境にいる
努力をするのは自分のためと分かっていても、周りから全くその努力を認められないのは辛いものです。一生懸命頑張っているのに、周囲から正当に評価してもらえないことが続くと、努力し続けることが虚しく感じてしまいます。
そのため、頑張って行っていることを認めてもらえる環境にいることで、自己効力感が向上し、モチベーションの上昇につながります。「自己効力感」に関する記事は過去に紹介していますので、まだご覧になっていない方はこちらの記事もどうぞ。
モチベーションを上げる方法は?

上記で示したようにモチベーションが上がらない理由は様々なものがあります。それでは、モチベーションを上げるためには何をしたら良いのでしょうか。
ここからは、自分のモチベーションを高く持ち続けるために実践したい方法をご紹介していきます。
明確な目標・目的を設定する
目標や目的が不明確では、モチベーションが上がらないと説明しました。逆に、モチベーションを上げるのに一番大切なのが、目標や目的をしっかり定めることです。目標や目的を明確にすることで、何を頑張れば良いのか具体的なことがイメージでき、モチベーションも向上します。
目標達成した時の自分をイメージしてワクワクする
モチベーションを上げるのには、目標をしっかり定めることが大切ですが、その目標をより具体的なものにするとモチベーションが上げやすくなります。
目標に達成できた自分をはっきりとしたイメージで頭の中に描くことで、自然とモチベーションが湧いてくるのです。
目標を分解して、達成感を繰り返し得る
目標を達成するまでにモチベーションが下がってしまわないように、最終的に目指す大きな目標をあえて分解し、その過程で達成するべき複数の小さな目標を設定してみてください。
小さな目標を一つ一つ達成していくことで成功体験が増え、モチベーションを高く持ち続けることができます。
ゲーム感覚にとれるよう、楽しくなる工夫をする
大きな目標を掲げて着実にそのゴールに向かって行く過程をビデオゲームに置き換えられると楽しんで目標に取り組むことができます。
結果、目標達成にかける努力が苦でなくなり、モチベーションも自然に上がります。
部下や社員のモチベーションを上げるには?
部下や社員のモチベーションを上げる効果的な方法とはなんでしょうか?
ここからは、部下や社員など、周囲のモチベーションの上げ方をご紹介します。

一緒に目標設定をし、目標の共通認識を作る
自分は何もせず、部下や社員にばかり目標を押し付けているのでは、決してモチベーションは上がりません。部下や社員と一丸となって取り組めるような、共通の目標を設定しましょう。
掲げた目標に対して、上司も部下も一緒になって達成していこうという気持ちを持てれば、全体のモチベーションがぐっと上がります。
小さな達成を褒めたり、こまめにフィードバックする
大きな目標には程遠くても、部下や社員の努力を評価することも大切です。自己効力感を高める為にも、少しずつ達成できている部分を褒めたり、こまめにフィードバックしたりすると、部下や社員のやる気も自然に出てきます。
成果を可視化し、やっている事の意味を伝える
成果を目に見えるように可視化することで、より大きい達成感が得られます。
数字を重視する目標の場合は、特に達成するプロセスを可視化することでモチベーションを高めることができます。
目標に達成するまでは、残りどのくらいなのかというのが一目で分かれば、モチベーションが下がってきた時もひと踏ん張りできるはず。

ここからは心理学を応用したモチベーションを向上させる技を紹介していきます。
エンダウド・プログレス効果
はじめから進捗があると目標に到達しやすい心理傾向のことです。
例えば、スタンプのついたポイントカードをもらうと、まっさらなカードよりも、最後までポイントを集めようとする傾向が強くなります。
目標が近づくことが目に見えて感じて、やる気が高まることを目標勾配効果といいます。この目標勾配効果によって、少しでも進歩を感じるとモチベーションが上がる効果を利用したのが、エンダウド・プログレス効果なのです。さらに、目標達成に近づくほどモチベーションは高まっていくなど相乗効果が望まれます。
フレーミング効果
本質が同じものでも、見せ方や表現で印象や意思決定が変わる心理作用のことです。
フレーミングのフレームとは、絵画でいう額縁に由来しており、対象のどこを切り取るかによって見え方が変わるということである。つまりモノゴトの本質だけでなく、スポットの当て方(表現方法)によって、印象が大きく変化することを意味します。
心理学のフローとは?

フローとは以下のような状態です。
圧倒的に集中している状態、没頭している状態
フローは、ゾーンと呼ばれることもあります。フロー状態は、充実感を得ることができます。
人によっては「楽しくて仕方ない」と感じます。それが目的や目標を達成させようとしているときに生じれば、生産性が高くなることが期待されます。
そんなフロー状態になるには、以下の条件が必要と言われています。
- 明確な目的(予想と法則が認識できる)
- 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。
- 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
- 時間感覚のゆがみ – 時間への我々の主体的な経験の変更
- 直接的で即座な反応
- 能力の水準と難易度とのバランス
- 状況や活動を自分で制御している感覚。
- 活動に本質的な価値がある
出典元:Wikipedia
やや難しいので、分かりやすく説明します。
直接的で素早いフィードバック
フィードバックとは、結果や感想を伝えることです。ミスをしたら「何がダメだったか」を素早く知ることができる状態です。
例えば、丸めた新聞紙をゴミ箱に投げるとき、手前に落ちれば「投げる力が足りなかった」と、要因がすぐに分かります。
フィードバックが早くて分かりやすい方が、フロー状態になりやすいのです。
結果が出るのが遅いほど、モチベーションも下がりやすくなります。
スキルと難易度のバランス
自分のスキルと、挑戦する難易度が合ってなければ、フローは起きません。
「自分に最適な難易度の課題」に、挑戦しているでしょうか。
モチベーションへの影響の原因でも触れましたが、高い難易度は挫折し、低い難易度は飽きてしまいます。最初から難しいことにチャレンジしてはいけません。
自発的な活動
誰かに言われてではなく、自分から行動する必要があります。
例えばミスをしたとき、誰かに指摘されるのではなく、自分で理解して改善できると、フロー状態に入りやすくなります。
活動に価値があること
「その活動自体に価値がない」と、フローは起こりません。目的や得られる報酬が必要です。
報酬は金銭とは限りません。脳機能では「褒められる」「目標を達成する」などで、金銭を受け取るのと同じ脳領域が活動します。この脳領域が活動すると、モチベーションが上がります。活動そのものに、価値が必要です。
フローが発生しやすい状況とは?
フロー状態になる条件を説明してきましたが、フローが発生しやすい状況があります。
次にフローが比較的発生しやすい状況について説明していきます。
好きなことによるフロー
フロー状態に入るには、前述の条件以外に「好み」もあります。
「好きなことをする」時に比較的フロー状態に入りやすいと言われています
例えば、絵を描くのが好きな人は、絵を描くことでフロー状態に入ります。
複数人だと起こりやすい
単独よりも、複数人で支えあった方が、フローを得やすくなると言われています。
支えあうというよりは、活動について「会話できる仲間」の存在がフロー状態になる手助けをしてくれます。
注意をそらすものを排除する
注意をそらす物を排除すると、フロー状態(ゾーン)に入りやすくなります。
スマートフォンは、手の届かない場所に置くべきです。
勉強や仕事でフローを活用する方法
細かすぎる指導をしない
コーチや教育者は、細かい指導をする傾向があります。
フローが起きるには、教えるよりも、自発的な行動が大切です。
細かい部分を指導するほど、相手は「萎縮(いしゅく)」します。
ていねいに教えられたのに「できない」という状況が、怖いからです。
細かい指導よりも、自分で間違いに気づき、自発的に修正することが重要です。
チャンスを制限しない
筋肉は、思い通りに動くまでに時間が掛かります。何度も挑戦して、脳を補正させる必要があります。挑戦できる回数が多いほど、フロー状態に入りやすくなるのです。
例えばビデオゲームの場合です。
1回のミスで、最初のステージに戻されるようなゲームでは、フローは起こりにくくなります。
これは、挑戦する回数(チャンス)が少ないからです。
まとめ
モチベーションを目標を達成さえるために必要不可欠です。しかし、どうしてもやる気が出ない時、モチベーション保てないという時もあります。そんな時は、今回ご紹介したモチベーションを上げるための方法や、モチベーションを高く維持する方法を実践してみてください。
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