
看護師の離職率はどのくらい?
だれでも一度は看護師をやめたいと考えたことがあるのではないでしょうか?むしろ、やめたいと思ったことがないという看護師に一度もあったことがありません。給料の面で見れば好待遇ですが、それでも辞めたいと思えるほど大変な仕事なのです。
実際に2018年度における看護師の離職率についてみていきましょう。
正規雇用看護職員離職率 10.7%
新卒採用者の離職率 7.8%
既卒採用者(新卒ではない看護職経験者)の離職率 17.7%
となっています。都道府県によってもばらつきは見られますが、平均で10人の就職に対し1人は仕事をやめてしまう計算になります。また、その割合は病床数が少なくなればなるほど高くなる傾向にあります。
看護師が退職する理由とは?
それでは看護師をやめたいと思う理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
労働環境の悪さ

退職理由の一つとしてよく挙げられるのが労働環境の悪さです。
看護師の仕事は2交代、3交代の勤務があり変則的です。3交代では深夜帯での仕事があり、2交代に至っては16時間労働のため、夕方から朝まで働くなど、生活リズムを一定に保つことが難しい職業でもあります。
もう、命を削って仕事をやっていると言えるでしょう。かと言って夜勤を行わないと給料がガクッと下がってしまうため、給料を確保するためには夜勤を入れないといけない状態になってしまいます。
また、看護師不足も労働環境の悪さに影響しています。看護師不足の病院では一人当たりの業務量が多くなり、休憩もまともに取得できないといったことも起きます。少子高齢化が進む中で、「2025年問題」など高齢化が深刻化するなかで、対策については色々打ち出されていますが、この課題は根本的な解決に至っていません。その結果、心身ともに疲れ果て、退職していくという負の連鎖が生じてしまいます。
職場での人間関係の問題

職場内での人間関係により退職する人も多いです。
怖い先輩看護師や相性の合わない看護師など、どうしても苦手な看護師とも仕事をしなければなりません。そのストレスはとても大きいものになります。
心理的プレッシャー
さらに人の命に関わる心理的なプレッシャーからストレスが溜まりやすい環境でもあります。
その結果、精神的なストレスが蓄積し、働くのが嫌になるなどの悪循環となってしまいます。
結婚・出産などのライフイベント

看護師は、女性の占める割合が圧倒的に高い職種です。そのため多くの看護師が、20代~30代の時期に、結婚・出産という人生の転機を迎えます。このタイミングで職場を離れる看護師が多く、これが離職率を引き上げています。
もっともその背景には看護師ならではの事情があります。先に触れたとおり、病院や医療施設は人手不足で、つねに看護師を募集しているため、一度退職しても容易に復職が可能です。つまり他の職種に比べると、次の就職に対する心理的な余裕があるのも事実です。
スキルアップ・キャリアアップ

看護師は専門職でもあるため、日々の勉強が望まれます。自分のもっと勉強したい分野がある場合、その分野に特化した病院へ転職したり、資格取得のために専門学校に通うこともあります。
このように、スキルアップやキャリアアップといった前向きな理由により離職をすることもあるのです。
離職率が高いことは悪いことばかりではない
看護師は離職しやすい職業であるとされていますが、必ずしも「離職率が高い=悪い環境」というわけではありません。
先ほども退職理由の一つとして挙げましたが、ライフステージにより退職を希望する方が増えます。病院の転職先が非常に見つけやすくなっています。
そのため、結婚を機会に引越したのち、違う病院で看護師として働いたり、子育てが落ち着いてから看護師に復帰しやすいのです。
転職や復職がしやすいという背景があるからこそ、看護師は離職しやすい職業であると言えるでしょう。
仕事をやめたくなったら
「ダメだ、合わない、病院やめたいっ!」という発言に対し、「どこいっても一緒だよ。」と言われることもあると思いますが、そんなことは決してありません!
確かに自分に合わない職場も残念ながらありますが、病院によって職場の雰囲気はそれぞれです。反対に「自分に合う職場も見つかる」といえるでしょう。
転職は有効な手段
ストレスで仕事に行くことがつらいと思っているのであれば、看護師年数に関係なく「転職」も考慮していいと思います。今は思っている以上に転職しやすい時代です。転職サイトであなたの情報を登録するだけで、あなたの希望する病院について紹介してくれます。是非転職サイトに登録してみてはいかがでしょうか?
転職も躊躇してしまうときは?
それでも転職に躊躇してしまう人も多数いると思います。実際は、したくても一歩踏み出せないかたの方が多いのではないでしょうか。
今のつらさをどうにかしたいときは?
離職率の原因にもなっている職場での人間関係やストレスは永遠のテーマです。転職が難しいのであれば、相談しやすい人に相談してもらったり、ストレス発散方法を見つけたり、色々と試行錯誤して乗り切っていければと思います。
悩んでいるその時は絶望的なつらさだと思います。時間が経ったときに苦労話として笑顔で話せるようになればいいですね。私もそのつらさを少しでも解決できるよう、人間関係に対する解決方法を別記事に挙げているので、是非参考にしてください。

まとめ

離職を考える理由は皆さんそれぞれあると思います。
悩んでいる職場環境の解決策として、または自分の将来のキャリアを考えての転職を考えることは決して悪いことではないです。
もしも、つらい状況でも職場のことを考えてしまっているのであれば、なんのために働いているのかもう一度考えてみてください。
「患者のため」と考えている人もいると思いますが、自分自身が元気ではないと、相手にも元気を与えることはできません。「第一優先はあなた」だということを思い出してください。
あなた自身があなたに優しくしてあげてくださいね。
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