看護師になる為の流れと具体的な手順について
こんにちは!前回の記事では
・正看護師、准看護師との違いについて
・看護師のやりがい
・看護師の働く場所
について説明しました。
前回の記事をご覧になっていない方はそちらを見て頂くことで、より看護師について理解できると思いますので、是非参考にしてみてください。
それでは、今回の記事では実際に看護師になるための具体的なルートについて説明していきます。
看護師になるための手順

ざっくり説明すると、看護師になるためには国家資格である「看護師資格」が必要となります。その看護師資格を取得するには文部科学大臣指定の学校もしくは厚生労働大臣指定の看護師養成所を卒業し看護国家試験を受験できる権利を手にし、看護師国家試験に合格し、看護師として登録されて初めて看護師となることができるのです。
これが看護師になるための全パターン!
① 高校卒業→看護専門学校(3年)→看護師国家試験コース
② 高校卒業→看護系短大(3年)→看護師国家試験コース
③高校卒業→看護系大学(4年)看護師国家試験コース
④高校卒業→准看護師→看護専門学校・定時制または通信制(2年)→看護師国家試験コース
⑤中学卒業→准看護師(実務経験3年以上)→看護専門学校・定時制(2年)→看護師国家試験コース
⑥中学卒業→准看護師(実務経験7年以上)→看護専門学校・通信制(2年)→看護師国家試験コース
以上の⑥パターンがあります。大きく分けると、高校を卒業して看護系の学校に入学するパターン、もうひとつは准看護師となってから看護学校に行き看護師となるパターンがあります。

看護系学校の種類は?

看護師になるには複数のルートがあることが分かりました。
まずは学校の種類とそれぞれの特徴について紹介していきます。
看護系学校は主に・専門学校・4年制大学・3年制の短大の3つに大別されます。その他として高等学校5年一貫教育のコースの学校、通信制の学校もあります。
3年制の専門学校
「看護師になるための勉強」に特化しており、実技や実習が充実している傾向があります。4年制大学よりも1年早く卒業できるので、「早く現場に出たい」「学費の負担をなるべく抑えたい」という人にはおすすめです。研究ではなく、実技・実習がメインのカリキュラムになるので、「看護師の仕事」を体感的に学んでいくことができます。費用は300万円ほどになります。
4年制大学
これまで看護師になるには「専門学校」を卒業するルートが一般的でしたが、看護にも専門性が求められる時代に移行するなかで、4年制大学の看護学部も一般教養科目が充実しており、幅広い教養を身につけることができます。「看護についてじっくり学びたい」という人にはおすすめの進路先。
また、「研究」がメインの教育機関でもあるので、「学問的な視点での看護」「自分で考える力」を重視する人にも適した学びの場となります。また、卒業と同時に「保健師」「助産師」の国家試験受験資格も得られるカリキュラムとなっているので、将来の働き方の選択肢を広くもっておきたいと考える人は4年制大学を出ておくといいでしょう。4年制大学の場合費用は350万円~700万円ほど。
しかし、深く広く学べる一方で受験の難易度が高い傾向にあります。とくに学費が安いところは倍率が高いです。看護大学専門の予備校もあるので必要ならば利用しましょう。
大学院
「看護師になるために」というよりかは、看護師の中でも特定の分野において、より専門性の高い知識を身に着けたい!という方にお勧めとなってきます。そのため、大学卒業後、大学院に進学し、特定分野に強い「専門看護師」を目指すというステップもありますが、専門看護師になるには一定期間以上の実務研修経験も必要になるため、社会人として働いたのちに大学院に進学するという人も多いです。3年制の短大や専門学校の卒業者でも、実務経験などの条件を満たせば大学院進学は可能です。(各大学院によって規定は異なります)。
3年制の短大
「一般教養も学べる+早く現場に出られる」という両方のメリットがありますが、4年制大学の拡充に伴って、短大の数は縮小傾向にあると言われています。また、所定の単位を修得すれば、養護教諭の免許状(4年制大学の場合は1種、短大・専門学校の場合は2種)を取得することができる学校もあります。
中学卒業後看護師免許をとる場合
中学校卒業後、「高等学校5年一貫教育のコース」に通うことで、看護師国家試験の受験資格を得ることができます。これは、最も早く看護師の資格が取得できるため,高等学校進学時に将来の目標がはっきり定まっている人には最適のコースといえます。
高等学校5年一貫教育コースとは?
高等学校の看護に関する学科とその専攻科において,5年間の一貫したカリキュラムで看護師を養成するための教育を行うものです。高等学校では普通教科と看護に関する基礎科目を学び,専攻科では豊かな人間性を養うための教養科目と看護の専門科目を学びます。卒業すれば看護師国家試験の受験資格が得られます。
学校教育法上の制度に変更はありませんので、高校3年間を終了すれば高等学校卒業の資格が与えられ,大学等へ進むこともできますが,准看護師試験の受験資格は与えられません。なお,5年一貫教育ですので,専攻科へ進むための入学試験はありません。5年間のゆとりあるカリキュラムのなかで看護のスペシャリストをじっくりと育てます。
准看護師免許取得後、看護師学校に進学して看護師免許をとる場合
高校卒業者の場合
ただちに2年間の看護師課程に進学できます。卒業時には専門士、准学士となり、看護師資格を取った後は保健師、助産師課程の養成校に進学できます。また、大学への編入もできます。
中学卒業者の場合
3年間の准看護師としての実務経験の後に進学となりますが、この場合は高等学校専攻科や短期大学には入学できません。
7年間の准看護師の実務経験の後、2年間の通信制看護学校を修了して看護師国家試験受験資格を得られます。准看護師として働きながら単位を取るもので、臨地実習が少ないカリキュラムです。
社会人から看護師になるには?
社会人から看護師へなるには上記にあるよう、看護専門学校、大学、短期大学のいずれかに入学する必要があります。
ただし、看護大学や4年制大学の看護学部はそもそも狭き門です。社会人から看護師を目指すなら、最短で比較的資格の取りやすい「3年制看護専門学校」がおすすめです。
また、社会人枠を設けている看護学校も多くあるので、受験しやすい環境にあるかどうかも学校選択の際に参考になると思います。
そのほか、外国の看護師養成所を卒業した外国の看護師の有資格者や、一定の基準を満たしているインドネシア、フィリピン、ベトナムの外国人看護師候補者は、厚生労働大臣の認定を受けることで受験資格が認められます。
看護学校入学者の割合

看護系学校の入学者数の割合は、3年課程の専門学校が43.5%と一番多く、専門学校を選ぶのが主流です。しかし、日々医療が進歩している中で、看護師もより専門的な知識・技術が求められるようになってきています。そのため、日本看護学会では4年制大学への入学を推奨しています。
参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/4th_year/index.html
実際に下の図からも分かるように、毎年「大学」への入学者割合が上昇している傾向にあります。

看護学校を決めるときに大切なこと
学ぶ期間だけでなく、授業内容や取得できる受験資格など、さまざまな面で違いがあることがわかりました。
いずれにせよ「学校卒業後、看護師としてどのように活躍していきたいか」をイメージしたうえで、その夢と「この学校で身につけられるスキル」が一致するかどうかを見きわめることが大切です。そのほか、学費、通学のしやすさ、合格率や卒業後の進路、看護師以外にもとれる免許や資格はあるのかなども考えて学校を選んでみてはいかがでしょうか。

※ちなみに
学費に関して、看護系の学校は奨学金が豊富です。中には資格取得後に指定の施設で一定期間働くことで奨学金の返済が免除になるものもあるので、自分に合った使える制度も探してみましょう。
適応できそうな奨学金制度は以下のサイトを参考にしてください。また、学校独自であったり、附属する病院との連携による奨学金制度もあるので、それぞれのホームページから制度を調べることもおすすめします。
看護系学校の全国一覧が以下のサイトでみることができるので、是非参考にしてみてください。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
次の記事では、「看護師になるには看護学校を卒業して国家試験を受けなければならないみたいだけど、実際にどのようなことを看護学校で学ぶの?」という問いについて看護学校で学ぶ内容について細かく説明していきたいと思います。
また次の記事でお会いしましょう!
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