はじめに
皆さんは看護師という職業について興味はありますか?この記事では将来看護師になりたいと考えている人や、転職での看護師を検討している方など、看護師についてもっと知りたいという方の参考になればと思います。
前回の記事では、「看護師になるためのルート」や「看護学校の種類とその特徴」を説明しました。看護師になるためにどの看護学校へ行こうか悩んだ際は、是非参考にしていただければなと思います。
今回の記事では、実際に看護学校へ行くと、どのような授業内容を学んでいくのかについて説明していきたいと思います。少し気難しい話とはなっていきますが、わかりやすく説明していくので、気楽に読んでいっていただければと思います。
看護学校での教育の特徴

日本では看護師免許を取るための基準が国の指導で定められています。この指針に基づき、各教育機関では、独自のカリキュラムを組み立て教育に当たっています。
看護師教育の特徴的なことは、実践において学ぶことを大切にしていることです。実にカリキュラムの約3分の1が臨地実習(病院や施設などの看護の実践の場に限る)です。
座学で学ぶのみではなく、臨床場面において理論がどのように実践されているかを体験し、考察することを重要視しています。
看護学校の授業科目
それでは次に授業の項目についてみていきましょう。
基礎分野
看護学校の独自性を持った科目が選定される分野です。
この分野では「専門基礎分野」「専門分野」の基礎となる科目と合わせて科学的思考力及びコミュニケーション能力を高め、感性を磨き自由で主体的な判断と行動を促す内容を学びます。人間と社会を幅広く理解する内容や国際化、情報化へ対応しうる能力、人権の重要性について十分理解し、人権意識の高揚を図る内容となってます。
具体的には、数学、物理学、化学などの自然科学、社会学、国際関係などの社会科学、哲学、心理学などの人文科学があります。
専門基礎分野
人間の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度など、専門分野の土台になる内容を学びます。
看護実践においては、人の病気や健康状態を論理的・科学的に思考し健康支援することが大切です。専門基礎分野は判断の基礎となる非常に重要な科目です。解剖生理学や生化学、薬理学、病理学、微生物学など、専門職として学んでいることが実感できるでしょう。
また、生存権である健康や福祉に貢献できるための保健医療制度や社会保障制度なども必要な学習内容です。
専門分野Ⅰ
看護の基礎的な倫理と技術を学び、専門分野Ⅱの看護学で活用できるようにする科目です。

看護とはなにか?を追求する科目や対人関係能力を養成する科目、倫理的判断ができるような科目、そして何をおいても技術が確実でなければなりませんので、看護技術の演習を多く取り入れています。
根拠に基づいた食事の援助、排泄の援助、移動の援助、清潔の援助、環境を整える援助などの直接な身体的援助と、心理的援助、教育指導、調整的役割などについて、理論や演習で学び、臨地実習を通して技術の獲得ができるように学びます。
専門分野Ⅱ
“ゆりかごから墓場まで”の言葉通り、人の成長発達段階を深く理解し、様々な健康状態にある人々や多様な場で看護を必要とする人々に対する方法を学びます。
母性看護学、小児看護学、成人看護学、老年看護学、精神看護学の各種看護学を学びます。

母性看護学
妊娠・出産や育児など女性にとって大切な時期の看護を学びます。
健康な人をより健康にするというウエルネスの考え方を基本として学びます。また思春期から更年期までと看護の範囲は広く、女性だけに限らずパートナーとしての男性も含んだ内容を学んでいきます。
小児看護学

胎児から思春期まで、子どもは日々発達をしていきます。病気になってもその子らしく十分に成長発達できるように、家族も含め看護することを学びます。
成人看護学
青年期から壮年期のあらゆる病気療養中の看護や健康増進活動について学びます。社会に重要な役割を持っている世代ですので、健康問題も複雑になります。急性期の病気ばかりでなく、現在は生活習慣病の予防も重要であり、人として幸せな人生をおくるためにはこの時期の看護がとても重要です。
老年看護学
高齢者は老化によって身体は衰えますが、年を重ねるごとに知恵や経験は豊かになります。個別的で多様な状況を併せ持つ高齢者に対して、病気や障害を持ちながらもその人らしく自立した生活が送れるように看護することを学びます。
精神看護学
人間を理解するためにはこころの理解が大切です。こころの発達と健康の維持増進のための援助を学び、こころの障害が生じた人への看護を学びます。
統合分野
専門分野Ⅰ・Ⅱを学んだ後、看護専門職として統合し、実践できる能力を培う領域として、在宅看護論と看護の統合と実践の内容を学びます。

在宅看護論
一生の中で病気やけがで入院して病院ですごす時間はごくわずかです。生活の基盤は家庭ですので、家庭で療養する方を支える看護、最期までその人らしく生きることを支える看護はとても重要になります。家庭や家族への援助の理論及び家庭看護の技術を学びます。
看護の統合と実践
人間の生死を分けるような医療の実践の場では、看護師の専門的な知識・技術が十分に発揮できなければなりません。医療の質の向上や安全確保のために、チーム医療、マネジメント能力、医療安全、災害時の看護等を学習します。また、卒業時には一人で責任を持った看護ができることを目標として、看護技術の再評価を行い、臨地実習を行います。
以上が主に看護学校で学ぶとされている項目になります。上記の項目はどれも看護師には必要不可欠な知識となります。この他にも普通に体育や英語などの項目もあります。
ちなみに、上記の項目だけだと3年制の専門学校で学ぶ内容であり、4年制大学では、これらの項目以外にも様々な種類の分野を学びます。4年制の大学にいくと、より充実した内容を学ぶことができるというのはこのためです。
学校によって学べる項目は様々ある
2020年現在、学校によって様々な種類のカリキュラムが取り組まれています。どの大学に行くかによってカリキュラムが異なるため、まずはどのようなカリキュラムがあるのか、また、どこの大学に行けばそれを受講することができるのか、自身で看護学校のホームページやパンフレットで調べていく必要があります。
また、カリキュラムだけではなく、「シラバス」を調べることで、どのような授業を行うのかについても調べることができますので、参考にしてみてください。こちらも基本的には各学校のホームページに記載しています。
気になる看護国家試験について

上記のカリキュラムで学んできた項目がきちんと学べたか調べるために看護国家試験があります。
看護師国家試験(毎年2月に実施)の試験内容の項目は以下の通りです。
人体の構造と機能、疾病の成り立ちと回復の促進、健康支援と社会保障制度、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護論および看護の統合と実践
どこかで見覚えはありませんか?
当然ですが、上記で挙げた授業内容が看護国家試験に反映されていることが分かります。
日々の授業をしっかり勉強していくことが国家試験合格のコツになるのです。
さらに確実に国家試験を合格するための勉強方法についてはこちらの記事でも紹介していますので、是非ご覧ください。
一日のタイムスケジュールは?
次は、看護学校におけるタイムスケジュールについてみていきましょう。学校によって年間の行事予定や、一日のスケジュールに違いがあります。
今回、横浜中央看護専門学校の中の「学生の1日密着レポート」で分かりやすく一日のタイムスケジュールが紹介されていたので、ご紹介します。
こちらよりホームページへ行けますので、ご覧ください。
また、看護実習のタイムスケジュールもありますが、学校により様々であり、気になる方は是非調べてみてください。いろんなパターンが見つかると思います。

いかがでしたか?
看護学校でどのようなことを学ぶのか説明してきました。しかし、そもそも看護学校に入るための試験はどのようなものがあるでしょうか。看護師になるための国家試験の前に、まずは学校の入試試験を突破しないといけないです。
看護学校の入試試験内容について記事にしていますので、是非見て頂ければと思います。
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