看護師

承認がもつ効果!そのメリットとは?

こんにちは!

あなたの職場で、相手から承認されたり、もしくは相手を承認する会話は聞こえてきますか?

「よく仕事してくれているね!ありがとう。」
「作業が早くてすごいね!」

などの会話が飛び交っている職場をあまり見たことがありません。

実際に現場で承認を意識しスタッフとのコミュニケーションをとっている上司は数少ないと思います。

承認とは?

いわゆる「褒める」と捉えることが多いですが厳密に説明していきます。

承認とは「そのことが正当または事実であると認めること。」「一般的には他人の行為に対して肯定的意志を表示すること。」

引用 出典 三省堂大辞林 第三版について

と定義されています。それでは、早速、承認を行うことのメリットを説明していきます。

承認がもつメリット

モチベーションが高くなる

人は承認されることで「褒められた」、「認められた」というプラスの感情が残るので、結果を残そうと仕事に打ち込むことができるようになります。また、結果を出すためにモチベーションも高く維持することができます。

自己肯定・自己効力感が高まる

他者から自分を認めてもらうことで自己肯定感が高まり、自信につながります。

離職率の低下

 上記で示したように承認を行うことで、労働に対する満足感も高めることができます。自分の仕事を上司や同僚がちゃんと見ていて、適切に評価してくれているという安心感は「承認」されることで得られます。結果、離職率は低下するのです。

しかし、承認はメリットばかりではなくデメリットも生み出します。承認が不足することも問題ですが、過剰な承認もまた問題となるのです。以下に過剰な承認が起こす弊害に関し説明していきます。

承認の過剰による弊害

 承認が過剰になることで、「周囲の期待に応えよう」、「失敗は許されない」と無理を続け、精神を病んでしまう可能性があります。

ある企業では、表彰された優秀な社員がその期待に耐えられず次々と退職したという話があるそうです。

 人は一度承認をされ、ある程度の地位につけば、それを失うことを極端に恐れるようになります。

例えば手にしたものの価値を過大に感じる傾向にあったり、一度得た承認を捨てることに大きく抵抗をもつ「保有効果」と呼ばれる状態となってしまいます。本来、承認というのは行動の結果として与えられるものなのに、得た承認を維持することが目的化してしまう可能性が出てくるのです。

引用 https://chuokai-fukuoka.or.jp/info/newsfukuoka/201912/shigoto.pdf

承認欲求が強い人の特徴

結果にこだわってしまう

承認欲求が強い人は、他者から認めてもらうためにはとにかく結果を出すことだと思ってしまいがちです。結果にこだわるあまり、その途中にあるプロセスを楽しめないでしょう。

人間関係が上手くいかない

自己承認が強い人は、自慢話をすることがたびたび見られます。また、見栄を張ってしまうことでプライドが高い人と思われてしまいます。周囲の人からは付き合いづらい人だと判断され、人間関係が上手くいかない可能性もあります。

認めてもらえないと落ち込む

他者から認めてもらうために頑張っているのに、認めてもらえないときにはどんどん落ち込んでしまいます。そんな時は頑張っている自分自身を認めてあげるという「自己承認」を行うことが大切です。

承認欲求を満たすには自己承認が大切

承認欲求を満たすには他者からの承認を求めるよりも、自分自身を認めてあげる自己承認が大切です。他者承認ばかり追い求めてしまうと、無理をして自分を繕ってしまいストレスが積み重なることもあります。

自分と対話し、結果よりもプロセスを大切にすることで「満たされた感覚」を得ることが出来るのです。

それでは、次に、承認について詳しく説明していきます。

承認は大きく5つに分類されます。各分類についてみていきましょう。

①結果承認

ある行った事柄により生まれた成果を承認すること。
例)資格とったんだって、すごいね
  うちの病棟1位だって、頑張ったね

②プロセス承認

例え成果にならなくても成果に至るまでのプロセス(工程)を承認すること。
例)結果が出せたのって、ロールプレイ頑張ってたからだよね

③行動承認

プロセスまでは考えていないが、行動したことに対して承認すること。
例)スタッフへの声掛け毎日頑張ってたね

④意識承認

行動にも示していないが、持っている意識・思考に対して承認すること。
例)企画途中になっちゃったけど、問題に取り組もうとしたのはすごいよ

⑤存在承認

まだ意識もしていないようだが、その場にいること自体を承認すること。
※今日もきてくれてありがとう。君がいると元気もらえるよ

この5つの分類に分かれます。①②の承認は行えている人もいるんではないでしょうか?③レベルの行動承認は、結果もプロセスも不適合であっても、行動したこと自体を承認するということですが、近頃あちこちのリーダーシップセミナーで取り上げられるようになってきました。

④レベルの意識承認となると、ちょっとやりすぎ感が出てきます。このレベル④ができるということは、それだけ珍しい上司ってことです。日ごろから相手の意識を感じ取っていくのは、もはやスキルです

最後に一見簡単そうなレベル⑤の存在承認は、逆に難易度が高いです。遅刻しても「よく来てくれたな!遅刻しても来るなんて真面目だな。ありがとう」で始まり、「明日もよろしくな!やめるなよw」で終わるわけですから。

どうですか?これら5つの種類を意識した承認を行えそうですか?

実際にこれら5つの種類の承認を使いこなせているのは全体の2%しかいないと言われています。

なので、皆さん、これらを意識し承認を行うことで2%の中に入ることができるんですよ。

しかし、実際に意識し行動するためにはスタッフに常に関心を寄せつつ仕事をしていかなくてはならず大変な労力を要します。

そのため、普段から以下のポイントを参考にスタッフに声掛けをすることで、自分の承認力を上げることができるようになります。

その言葉がけについて紹介していきます。


注:参考サイトより引用させていただきましたので、問題文合わせそのまま記載させていただいております。

1.お疲れ様にプラスひと言

皆さんは、部下に「お疲れ様」と声を掛ける際、どんな言い方をしていますか。「お疲れ様」の言い方を工夫するだけで、相手を労ったり、相手の頑張りを認めることができます。

営業回りから帰ってきた部下に、「お疲れ様」と声を掛けました。

部下への「労い」や「頑張りを認める」言い方が出来ているのは、次の内どちらでしょうか。

【A】お疲れ様。今日のA社との商談はどうだった?
【B】お疲れ様。暑い中、大変だっただろう。

答えは、【B】です。

【B】には、「暑い中大変だったね」といった相手を労う・頑張りを認めるといった気持ちが含まれています。

しかし、【A】は相手を労うよりも、「商談の結果を真っ先に知りたい」といった上司の都合が優先されています。

「お疲れ様」と声を掛けるときには、相手を労う一言、頑張りを認める一言を添えるようにしましょう。

2.部下の話を〇〇しながら聴く

皆さんは、自分が一生懸命話をしているのに、それを上の空で聴かれたらどんな気持ちになりますか。

大抵の人が、虚しい、いい加減に扱われた等のネガティブな感情を抱くのではないでしょうか。

逆に、自分の話を真剣に聴いてもらうと、自分の存在を認めて貰えたようで、嬉しい気持ちになりませんか。

つまり、聴く時の態度を心がけるだけで、相手の承認欲求を満たすことができます。

では、「相手の承認欲求を満たす」聴き方をするには、どうしたらいいのでしょうか。

上司が、部下の話を聴いている場面を想像してください。

次の内、部下の承認欲求が最も満たされるのは、どの聴き方をされた時だと思いますか?

【A】仕事の手を留めて聴く
【B】アイコンタクト(相手の目を見る)
【C】頷き・相槌を入れる
【D】最後まで聴く(相手の話を遮らない)
【E】メモを取りながら真剣に聴く

答えは、【E】です。

上司がメモをしながら真剣に話を聴いてくれたら、部下としては嬉しいものです。メモを取ることで、

●上司が、自分との会話を「大事」にしてくれている
●上司が、自分の話に「関心」を持ち、「好意的」に聴いてくれている

といったプラスの感情が生まれ、部下の承認欲求が満たされます。

皆さんは、部下の話を聴きながら、真剣にメモをとる上司に出会ったことはありますか?残念なことに、そう多くは無いのではないでしょうか。「希少な存在」だからこそ、傾聴時のメモは効果抜群です。

A~Dは、傾聴スキルとして、多くの上司が実践しています。メモは、部下の承認欲求を満たすだけではなく、

●部下の話をその場で整理ができる
●部下の仕事の進捗管理がし易くなる

といった他の効果もあります。部下の話をメモしながら聴く。一石三鳥のメモ効果。ぜひ実践してみてください。

3.〇〇談を語る

皆さんは、部下に対してどれだけ自己開示ができていますか。

自分の「経験」を効果的に語ると、部下の承認欲求を満たすことができます。

営業で成果をだせずに落ち込んでいる部下に対して、

2人の上司が、自分の経験をもとに励ましの言葉をかけています。

部下の立場に立ったとき、承認欲求が満たされるのはどちらでしょうか。

【A】俺は、5年連続営業成績1位を取った実績がある。営業のやり方で分からないことがあったら何でも、訊いてくれ。
【B】俺も新人時代、飛び込み営業で30件連続で門前払いをされた経験があるんだ。当時は、「自分なんかが営業をやっていけるのか」と不安に感じたものだよ。そんな俺でもやってこれたんだから、君にもできるよ。一緒に頑張ろう!

答えは、【B】です。

成功体験よりも、「失敗談」を語られる方が、相手が自分に対して心を開いてくれていると感じます。

失敗談というのは、人にあえて言いたくない内容です。だからこそ失敗談を語られると、

●自分を信頼してくれている
●自分に対して、期待してくれている

といったプラスの感情が生まれ、承認欲求が満たされます。

部下としては、自分を励ますために敢えて「失敗談」を語ってくれた上司に対して、「自分の気持ちを分かってくれている」といった安心感や、有難さを感じます。また、人は、完璧なものよりもちょっと欠点があるものに惹かれるとされています。

これを、「ツァイガルニック効果」と呼びます。

ぜひ、相手の承認欲求を満たすために、「失敗談」を効果的に語るようにしましょう。

4.部下に相談する

皆さんは、相談に乗って欲しいと言われると、どんな気持ちになりますか。

●自分って頼りにされているな
●自分のことを認めてもらえているな

といった「プラスの感情」を抱きませんか。

人は、相談されると承認欲求が満たされます。部下が、上司よりも詳しくて、専門性を持っている分野もあります。そんな時には、積極的に部下に相談をもちかけましょう。

そのときには、「君だから、相談するんだけど」「力になって欲しいんだ」等の言葉を添えると、部下のやる気に火をつけることができます。

部下のやる気を高めて、承認欲求も満たす、一石二鳥の「相談」。ぜひやってみてください。

5.感情を共有する

皆さんは、部下の気持ちに共感できていますか。

例えば、商談のコンペに勝てなくて悔しがっている部下がいたとします。
皆さんだったら、どんな態度をとりますか。

【A】「まぁ、しょうがないよ!次があるさ。」と笑顔で語りかける。
【B】「あんないい提案をしたのに、B社に負けるなんて悔しいよな。」と一緒に悔しがる。

このとき、部下の承認欲求が満たされるのは、【B】です。

感情を共有することも、大事な承認の一つです。

【A】は、「悔しがっている部下」と「笑顔の上司」といった具合に、感情のミスマッチが発生しています。上司としては、励まして元気づけようとしてくれているのでしょう。しかし、部下としては温度差を感じてしまいます。

「社会人たるもの喜怒哀楽を出さずに、平常心で」という考え方もありますが、相手の為を思って、相手に合わせて喜怒哀楽を見せるのは、優しさの一つです。

腹が立つことが起きたら、一緒に怒り、相手が悲しんでいるときには、一緒に悲しむ。

部下にとって、気持ちを共有して貰えるというのは嬉しいものです。ぜひ、部下の感情に寄り添い、共感することを大切にしてください。

まとめ

以上、褒める以外での「部下の承認の仕方」を紹介しました。

1.お疲れ様プラスひと言

2.部下の話をメモしながら聴く

3.失敗談を語る

4.部下に相談する

5.感情を共有する

引用 http://sakidori-gata-kenshu.com/acknowledge01/

いかがでしたか?承認がもつ大きな効果と承認方法について学ぶことができましたか?ここで学んだことは実際に相手に行って初めて効果を生みます。是非現場で承認をしてみてください。

最後に承認に関する記事がありました。皆さん共感できる内容だと思いましたので、記載しておきます。

部下を観察しないと承認できない!

私たちは日常、無意識的に結果承認ばかりをしがちではないでしょうか。職場で部下が成果を上げた時は、大いに賞賛をしますが、それ以外の時はどうでしょうか。大きな成果を上げてはいないけれども、地道にコツコツ努力している部下がいた時に、そのことに注目し、経過承認できているでしょうか。

結果というのは、目につきやすいし、それほどの意識を向けなくても気づきやすいものですが、経過というものは、よほど意識を向けて日々観察しつづけなければ発見できないものです。だからこそ、部下が成果はまだ出せていないけれども、日々努力していることを上司がきちんと発見して承認を与えれば、「上司はそこまで見ていてくれるんだ」と部下を感動させ、この上ない力と勇気を与えることになるのです。

部下を持つ立場にある方には、観察眼を養い高め、目立たないけれども前向きにがんばっているメンバーの姿勢を発見し積極的に承認して、職場全体のやる気アップにつなげる努力が求められているのではないでしょうか。

 ※1 内閣府・令和元年(2019年)版「子ども・若者白書」

この記事をきっかけに、普段の仕事の場で、「承認」を意識したコミュニケーションを増やしてみてはいかがでしょうか?承認を意識したとたん、スタッフのこともより意識してみることができるようになると思います。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
次の記事でお会いしましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました