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男性看護師について

こんにちは!

看護師は、以前は「看護婦」として女性の職業というイメージが強い職業でしたが、2002年からは、男女関係なく用いる名称である「看護師」となりました。

そんな看護師の就業人数の内訳は、平成28年調査でみると、女性107万人に対して男性は8万人と発表されています。
全看護師における男性看護師の割合は6.96%ということがわかります。

平成 28 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

このデータで分かるとおり、まだまだ女性看護師の占める人数が圧倒的に多いです。しかし、男性看護師の人数も年々着実に増えています。

平成 28 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

男性看護師の仕事内容や特徴について

女性看護師は、結婚・妊娠・出産のため、長期休暇をとったり、場合によっては退職しなければならないことがあります。これに対し男性看護師は基本的に間を空けることなく働けるという大きな特徴があります。また、女性看護師にケアされることに羞恥心を感じる男性患者さんに対するケアを提供しやすいことや、女性にはない男性としての体格・力強さを期待されているのも特徴です。

男性看護師のニーズが高い職場

診療科によっては男性看護師のニーズが高く、男性の割合が高いところもあります。

精神科病棟

男性看護師の特徴と言って一番にあがるのは体力・筋力の差です。精神科病棟では本人の意思に反して入院となる場合もあり、患者が暴れてしまうこともあります。その際、やはり女性よりも男性の方が体力・筋力もあるため重宝されやすいと言えます。

手術室・ICU・緊急外来・救急外来

手術は長時間に及ぶこともあり、医師だけでなく看護師も同様です。
緊急性の高い場面はまさに戦場であり、体力面で勝っている男性のほうが求められます。

男性専門外来

AGA(男性型脱毛症)やED(勃起不全)、包茎やペニスの悩みなど、男性特有の専門外来も増えています。
そういった病院では患者は女性看護師だと恥ずかしくなるため、男性看護師のニーズは高くなります。

性病科・泌尿器科

男性の悩みには性病もあります。
性病こそ女性看護師には知られたくないものですから、男性患者の気持ちを考えている病院では男性看護師を求めています。

男性看護師のメリット・デメリット

<メリット>

女性看護師の人間関係から距離を置くことができる

看護師の職場は女性が多い職場なので、ねたみ・ひがみ、噂話など女性特有の人間関係があるところが多いです。ただし、男性看護師の場合は「男だからわからない」と距離を置いて巻き込まれないような工夫ができます。
このような場面では、いい意味で男性看護師は孤立しやすいので、人間関係のいざこざや争いごとに関わらない態度を取ることで、自分の身を守ることができます。

また、男性看護師はそのギクシャクした人間関係の緩衝役になることができます。病棟の雰囲気が雰囲気が悪い時に男性看護師が一言声を上げるだけで雰囲気が変わってきたりもします。

女性看護師に比べて患者さんから可愛がられることが多い

男性看護師が急増したのは最近のことなので、年齢は女性看護師ほど重ねていません。そのため、患者さんによっては自分の息子や孫と重ねて接するので、好かれて可愛がられることが多いです。

<デメリット>

職場の環境が女性向けである

看護師の職場は女性が多いということもあり、福利厚生などはあまり男性への配慮ができていないことがあります。また、職場の整備においても整備に追いついていないという現状もあります。

例えば、更衣室は男女別ですが、男性看護師の人数が少ないため不便な場所に配置されるという場合もあります。最近では、もとから男性用に設計されている施設もあり更衣室やトイレも完備されているそうですが、まだまだ、男性には肩身の狭い思いをする施設もあるそうです。

力仕事を負担させられる

「男性だから力がある」「重いものは男性にお願いしたほうがいい」と、重いものや患者さんを抱えるような仕事の負担は必然的に多くなります。そのため、腰痛など身体に負担がかかることに注意しなければなりません。

女性の患者さんにケアを断られる場合がある

特に、若い女性の患者さんには「女性の看護師さんに変わってほしい」と関わることを拒否されることがあります。実際には、その女性患者さんに悪気がないのですが、羞恥心などから同性である女性の看護師にケアを受けたいと希望されることが多いのです。

また、女性のデリケートな痛み(生理痛/月経痛/胸の張りなど)も共感してあげられることがなかなかできないため、無神経な質問や言動ができず、言葉を選ぶ必要があります

助産師や婦人科病棟などの選択肢がない

これは上記と似たようなことですが、男性であるがゆえに女性しかいない婦人科病棟には異動できませんし、いくら新生児の出産に立ち会いたいという希望があっても助産師にはなれません。

そのため、女性看護師と比べると少しだけ病棟の選択肢が減ります。

他の男性看護師と比べられることが多い

男性看護師の割合が増えたといっても、女性看護師に比べるとまだ少数派です。そのため、男性看護師が特に少ないところでは何もしなくても目立ってしまうことは否定できません。

例えば、業務の覚え方・業務の失敗などがあった場合に「◯◯さんはできるのに、△△さんはまた失敗して・・・」などと、女性看護師に比べて男性看護師同士の比較はされやすいこともあります。

男性看護師に期待されること

<力仕事を任せられる>

看護師の仕事は、知識、技術の他に、「力」がいります。日常で一番多いのは、寝たきりの患者さんの身体を動かしたり、足腰の弱い患者さんを車椅子に乗せたりすることです。そんな力仕事で、腰を痛める女性看護師もいます。そのような力仕事には、男性看護師は有利となります。

<機械に強い>

最近の医療機械は、取り扱いが複雑で、操作を覚えるのに手間取ります。そんな時、機械に詳しい男性看護師がいると非常に助かります。

<男性患者の悩みを聞く>

看護とは、肉体だけでなく、精神的なケアも大切。患者さんの悩みを聞くのも看護師の大切な仕事ですが、男性患者さんは、同じ男性看護師に聞いてもらいたい話もあるものです。

看護師とはいえ、男性患者からすれば女性看護師は異性です。仕事とは言っても男性患者には言いづらいお願いもあるものです。

例えば日常的なベッドから車いすへの移動をお願いするにしても、看護師に抱えられて移動するのですから、その気はなくても「セクハラと思われるのでは…」と余計な心配をしてしまいます。

それが男性看護師なら不安なくお願いできるでしょう。

男性看護師の7つの性格の特徴

①人当たりが良く優しい

女性看護師は、その大半が気が強いのに対して、それに対して男性看護師は人当たりが良く、優しい人が多いといえます。

看護師さんという職業は、病気で不安を抱えている人達と日々接しています。患者さんのためを思って働く人が多く、優しい気持ちを持った人が多いのです。

一緒にいて穏やかな気持ちになれる男性が多いのが特徴です。

②おっとりしている

おっとりしている性格という特徴があります。仕事においてはテキパキとこなせますが、根本的な性格はのんびりとしている人が多いです。看護師の世界は、サラリーマンのような男性的な実力社会ではありません。自分の利益のために上司に媚を売る必要がないのです。

そのため、サラリーマンにありがちな「策略にはめる」「他人を蹴落とす」ということを気にする機会がないため、おっとりとした性格でもうまくやっていけるのです。

③滅多なことでは音を上げない

男性の看護師は、周りを女性に囲まれているため、どうしても力仕事や面倒くさい仕事を押し付けられてしまいがちです。また、女性同士のいざこざや喧嘩の橋渡しをしなくてはいけないときもあります。看護学生時代でいえば、グループ発表があれば、基本的にグループの中の男性が発表することがほとんどです。

そういった少し「理不尽」とも言える経験を積んでいる男性の看護師は、我慢強さと忍耐力を身に着けています。自分の限界を超えても音を上げないような強い人が多いのです。ただし、一度限界を迎えてしまうとなかなか立ち直ることができないという特徴もあるようです。

④小さいことによく気がつく

病院内での仕事は、気を配ることの連続です。患者さんの変化に敏感でなくてはいけません。このような、些細な変化も見逃さないという習慣がそのまま性格となっているのです。

通常の男性では気が付かないような小さな変化にもすぐに気づいてくれます。特に体調が悪いときなどは、顔色や態度を見てすぐ「大丈夫?」などと気遣ってくれるでしょう。

⑤真面目

男性看護師は、真面目な人が多いといえます。
チャラチャラした不真面目な人はあまりおらず、見た目が真面目なのはもちろんのこと、中身も真面目で勉強熱心な方が多いです。

女性が主体の看護師の世界で認められるためには、知識やスキルもかなり重要です。
知識やスキルが上がって行けば、おのずと人望も厚くなっていきますので、出世などの将来を見据えていることも要因の一つかもしれませんね。

⑥病気のとき頼りになる

これは、家族に男性看護師がいる場合ですが、もしも恋人や旦那さんが男性看護師だった場合、自分が病気で具合を悪くしているときでも、相手が男性看護師であれば冷静かつ優しく看病をしてくれることでしょう。

しかも、看病の仕方も的を得ていますから、安心して任せられるはずです。

⑦意外と野心家

「起業してやろう」「出世したろ」と考えている男性看護師は多いです。
結婚して子供を養っていかなければならないと考えると、出世を考える男性看護師が多いです。

男性看護師としてのキャリアアップについて

まず、男性という性別が理由で看護師としてのキャリアアップに支障がでることはありません。看護師資格取得後に更なるキャリアアップがしたい場合は、助産関係以外なら自分の希望する進路を自由に選ぶことができます。

その中には、認定看護師・専門看護師・大学院進学・学位取得・海外留学・国際協力など、男女の差はなくさまざまなキャリアアップの道があります。また、医療機関で経験を積んでいくことで、副師長・病棟師長・看護部長などの管理職や教育担当に昇進していくことは十分可能です。

男性看護師の収入について

厚生労働省から発表される平成28年賃金構造基本統計調査によると、男性看護師全体の平均年収は494万円、月収は34万円とされています。そして、女性看護師については、平均年収が480万円、月収は33万円となっています。この差は、育児での時短をとる女性看護師から全体的な女性の平均年収が下がることを想定されるため、男女間での収入による差は特にないことが分かると思います。

看護師の年収に関しては以前の記事にも載せていますが、看護師の平均給料は、ベテラン看護師になっても大幅に増えることがありません。
ようするに、20代後半〜60代前半くらいまで、ずっと30万円台を推移し続けているのです。

一般サラリーマンの男性社員は、はじめこそ安月給ですが、勤務年数と年齢が上がっていくにしたがって給料もアップしていきますのっで、一般サラリーマンの男性社員の平均給料を大幅に追い抜く可能性はあまり期待できないといえるでしょう。

しかし、これはあくまでも一般的なデータであり、男性看護師が給料を増やす手段はあります。

①管理職を目指す

看護師長や看護部長などの「管理職」を目指すという手段です。
看護師としてのキャリアアップを目指すことで、病院によっては管理職に役職手当が支給されますので、よって年収アップに繋がります。

役職手当の金額は病院によって異なりますが、数千円〜数万円程度だといわれています。

役職が上がるごとに、役職手当の金額も増額していきますから、トップの看護部長に就いたときには相当もらえるのではないでしょうか。

②男性看護師が活躍できる職場に転職する

看護師の給料や手当は、病院や分野によってじつに様々です。

もしも今の給料に満足していない場合は、思い切って年収アップが見込める職場へ転職するのも1つの手段だと思います。

探してみると、男性看護師にとって好条件の職場もたくさんありますから、そういった受け入れ体制が良い職場を選べば、年収アップも期待できるでしょう。

男性看護師の需要は年々増え、将来性のある仕事と言える

近年は男性の看護師であっても抵抗を抱かれなくなっていることから、需要は年々増え、この10年で男性の正看護師は倍以上になっています。

男性看護師の割合が増えればさらに需要は高まっていくことでしょう。

働きやすい・キャリアアップしやすい環境

働きやすい・キャリアアップを目的とした就職、転職であれば大学病院や総合病院のような大きい病院がオススメです。

大きい病院なら男性看護師が働きやすい環境で、気兼ねなく働き続けられるでしょう。また、大きい病院は頻繁に勉強会などを開催していますし、さまざまな重症患者の看護もすることになります。

小さな民間病院では扱わないような症例も体験できるので、看護師としてのスキルもアップすることでしょう。

おわりに

近年は、男性が看護師を目指すことも普通のことになっており、女性看護師が男性看護師と一緒に働いて、「男性だから・・・」と感じることはほとんどありません。また、「女性だからできて、男性にはできない」ということもないです。看護師として「仕事ができない」「機転が利かない」などのことは女性看護師にも同様にあることです。どちらも同じ看護師として日々成長していくことが重要になってきます。

そして、男性看護師が働きやすいように、力仕事のほとんどを男性看護師に依頼する女性看護師の姿勢も改めなくてはいけません。むしろ、男性看護師が働きやすい環境に改善していかなければならないのが女性看護師の役割とも考えられています。

まだまだ性別で苦労することがあるかもしれませんが、ぜひ男性看護師としてベストな職場探し・働き方ができるようにしていきましょう。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
また、次回の記事でお会いしましょう!

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