
皆さんは普段仕事をしているときに、スタッフとのコミュニケーションは円滑に図れていますか?
職場で行うコミュニケーションの一つに「報連相」があります。
普段からこの報連相を意識したコミュニケーションをとれていますか?報連相をきちんと行えているところと、そうでないところでの職場環境は雲泥の差となってきます。
そこで今回は、「報連相」をテーマに以下のことについて説明していきたいと思います。
- 報連相の目的とその重要性
- 報連相がなかなか定着しない理由
- 効果的な報連相の方法
そもそも、組織で働いている以上、仕事は基本的に1人では完結できません。チームで目標に向かって進んでいく必要があります。
また、仕事には必ず「目的」があります。その目的を管理しているのが上司となるのですが、私たちはその上司が掲げた目標に向かって働いているのです。
しかし、管理する側は、部下からの報連相がないとその目標を管理することができません。
報連相をしないことはみなさん自身の問題だけでなく、上司の責任にも繋がりますし、チーム全体の責任にもなるのです。
そこで報連相がとても大切になってきます。まずは報連相を行う目的から説明していきますね。
報連相の目的
報連相の目的とは、「組織内において相手との情報を共有して、生産性の向上を図ること」と言われています。きちんとした報連相を行うことで、仕事が早く片付くだけではなく、質の高い内容も提供できるようになるのです。そのためにも、報連相には相手ときちんと情報共有が行えるための理由が詰まっています。
報告とは?
報告とは、経過や結果などの過去を知らせることです。
ポイントは、結果だけではなく、途中経過もきちんと知らせるということです。

経過とは、例えば、任された仕事の進捗状況であったり、遅れそう・早まりそうといった仕事の予定もこれにあたります。午後から手術が予定されている患者の点滴挿入に対し、「もう手術室向かう時間なんですけど、まだ点滴挿入できていません」と報告されても、何も対処の仕様がありません。
そうではなくて、例えば「これから他の患者の検査出しいかなきゃいけないので、手術行く前に点滴を入れている時間がありません」と一言報告してくれれば、上司の方もフォローを付けるなどの対応をすることが出来ます。
また、悪い報告は早ければ早いほど対策の準備ができます。被害を最小限に食い止めるためにも分かった時点で報告するのが良いという訳です。
連絡とは?

連絡とは、伝えるべき情報を知らせること(連絡すること)です。基本的には上司部下に関係なく、連絡内容を伝えるというものになります。
相談とは?

相談とは、判断に迷う時や何かに困っているとき、意見を聞いてもらいたい時などに上司や先輩、同僚に意見を聞き、アドバイスをもらうことです。
それでは報連相について説明してきましたが、これから報連相を行う必要がある4つの理由について説明していきます。
「報連相」が必要な4つの理由
1.ミスを未然に防ぐ
経験が浅い新人スタッフがよくやってしまうことなのですが、自分の勝手な判断で行動し、ミスやトラブルを起こすということがあります。それを防ぐためにも、少しでも迷ったり悩んだりした時には、上司や先輩社員に相談するということがとても重要です。
仕事は自分一人ではなく組織で働いているものです。あらかじめ周囲にこまめに報連相しておくことでどこかのタイミングで誰かが軌道修正を図ることができ、取り返しのつかないような最悪の事態にはならずに済みます。
2.仕事の効率化
自分だけでなく他者がどのような業務に取り掛かっているのかもリーダーは把握する必要があります。
そこで、誰がどのような仕事に取り組んでいるのかを報連相を通し把握することで、適切な業務分配に繋がり、仕事の効率化につながります。また、それが仕事のモチベーション向上にもつながるのです。
また、相談するということは、個々の時間の短縮にも繋がります。
1人で悩んでいたら1時間かかったものが、先輩に相談したら5分で片付いた・・・なんてということも多々あるのではないでしょうか?
変なプライドを持たずに、困っときは誰かに相談するということも大切です。
3.自分を守る
特に知っておいてもらいたいのが、報連相には「自分を守る」という役割も持っているということです。これは決して仕事に対するネガティブな意味を含んだものではなく、また、無責任な態度を許容する意味でもないです。
できる上司はスタッフのミスを一人だけに責任を押し付けたりはしません。組織で仕事をする以上、チームとして連帯責任を負い、スタッフを守る責任があります。
適切な報連相があってもミスという結果になった場合は、上司として防ぐことができなかった非を認め、責任を持って謝罪することができます。
また、責任を分散させることで、チーム内でそれぞれ一人ひとりが自分にできたことを振り返り、反省し次に生かすことができるのです。
しかし、そもそも報連相がなく、上司や先輩が何も知らない状況でミスが起こるとフォローしきれないこともあります。部下のミスは上司が無条件に責任を取るべきかもしれませんが、何も知らされていない状況での部下のミスに対して、自分に全責任があるとは素直に認めづらいこともあるでしょう。
そういった意味でも、ぜひ新人社会人のみなさんは自分自身を守り、上司や先輩からも自然と守ってもらいやすくなるように、報連相を徹底しておいてほしいと思います。
4.上司と信頼関係を構築する
日頃から小さなことでも報連相をすることで、上司とのコミュニケーションそのものへのハードルが低くなり、仕事上の悩みや時には少し言いにくい相談事もしやすくなります。
報連相が定着しない4つの理由
報連相を行うべき理由やメリットを説明してきましたが、実際は報連相を完璧に行っていると自信をもって言える職場は少ないと思います。「職場内におけるコミュニケーション不足」これは全国どこの職場でも問題となっているテーマではないでしょうか。
次に説明するのは報連相が定着しない3つの理由についてです。
あなたの職場で報連相がなかなか定着しないのはこれらの理由があるからではないでしょうか?
1.「良い報告」しか聞きたくない上司、自力で解決したい部下
上司の日頃の振る舞いによって、部下の方は空気を読んで行動することが多々あります。ですから「悪い報告」はできるだけしたくないというのが本心だと思います。
そこは上記でも言ったように悪い報告はできるだけ早く報告しなければなりません。上司も、きちんとそれを現実的に受け止め、迅速な対処を指示し、被害を最小限に食い止める必要があります。
そのため、「分かった時点で報告する」のは部下の大切な仕事といえます。
しかし、出来ない上司と呼ばれる方は、こういうときに部下に説教するだけして、具体的な指示を出さなかったり、対応を部下に丸投げして”我関せず”状態になってしまいます。
そんな職場環境では、「悪い報告」の隠ぺいや知らないフリなどに繋がり、後々大問題になる可能性が高いので注意が必要です。
上司の立場の方は、「悪い報告」をした部下を問題視するのではなく、まず、「悪い結果を報告した」行為を褒め、それから悪い結果に対する対処法を指示することが上司の大切な役割なのです。
2.報連相は「部下がするもの」という思い込み
報連相は、部下から上司へという流れだと思い込んでいませんか?
基本的には、指示を出された部下がその経過や結果を報告するので、部下から上司へ行うものではあるのですが、それが難しい職場環境になっている場合もあります。
例えば、上司がとても多忙でいるため、報連相をするタイミングが図れなかったり、なかなか言い出せなかったりと、理由は様々です。
しかし、理由はなんであれ部下から状況を報告されなければ仕事が進まないということも多々あります。
それをただ受け身で待っているのにも関わらず、やっと報告してきた部下に「なんでもっと早く報告しないんだ!」なんて注意をするのはどうでしょうか?
報連相は、いわば部下とのコミュニケーションの延長です。報連相ができない部下がいるということは、言いかえればその部下とコミュニケーションが取れていないということでもあります。
3.日頃から世間話を交えながらコミュニケーションが無い
仕事の進捗状況だけではなく、今悩んでいることや、つまづいていることを聞きだすということを行い、コミュニケーションを取りやすい職場環境をつくるということを意識してみることも大切です。そこから、相手のことをより深く理解し、結果、些細なことも報告できるような信頼関係が構築できるようになるのです。
4.報連相の意識レベルが合っていない
報連相の基本は、「その都度行う」というものです。先ほど「些細なことも報告できる」と話しましたが、ことあるごとに報告を行っていたらキリがありません。そのため、報告者は自分の判断で報告するタイミングや報告する内容を判断する必要があります。
しかし、報連相の意識レベルが上司と部下との間であっていない場合、部下はどうしたらよいのかわからず戸惑いを覚えることになります。
あるトラブルを報告した際に、上司に「そんなこといちいち報告するな」と言われる。
また、相談すると「そのくらいは自分で考えろ」と言われ、自分で考えてコトを進めると「何で勝手に進めてるの」と言われ、どうしたらよいのかわかならなくなる。
これらは、報連相の意識レベルがあっていないために起こる、”報連相できない職場あるある”です。
判断理由を明瞭にする
そこで、この問題を解決するために、聞く側の上司は、必ず判断理由を明瞭にしておきましょう。
部下の報告内容が曖昧だったり、的を得ない報告だった際に、場当たり的に上司が対応していては、部下から信頼されません。
おそらく部下からも「このくらいの報告でいいんだな」と不明瞭なままにとらえてしまい、報連相に関して、後々トラブルにつながる可能性が高くなってしまいます。
報連相を定着させるためには、『上司が部下に対してもっと懇切丁寧に報連相に関する方法を指導しなければならない』ということですね。
誤解しないで欲しいのですが、上司が悪いから定着しないと言っているのではなく、上司が動いて部下が働きやすい環境をつくることが大切ということです。
報連相がうまく定着していないと感じていたら、部下の方の努力も必要ですが、まずは上司が動くことから始めてみてはいかがでしょうか。
それでは実際にどのようにしたら報連相が効果的に行えるようになるか説明していきます。
「報連相」をしやすい上司になるための5つのポイント
部下から「報連相」がないと悩んでいる上司は、まず自身の態度を振り返ってみましょう。以下のポイントをおさえておけば、効果的な「報連相」ができる職場となっていくでしょう。
1.部下を責めない
部下から「報連相」があった時に、「なぜそのようなことをしたのか?」など相手を責めず、「何が原因だったのか?」と理由を聞くようにしましょう。「何が」と問うことで、事象に着目していることが伝わります。もしミスの報告があったとしても、部下を責めるのではなく、次回への行動改善に結びつけましょう。
2.解決策を強制しない
緊急なトラブル以外は、解決策を指示せずヒントを与え、部下自らが考えるようにサポートしましょう。一時的に見ると時間がかかったとしても、長い目で見ると部下の成長へとつながります。
3.相談しやすい上司になる
上司が自分の力を過信し、部下を見下すような姿勢では、誰も相談したくありません。上司が自慢話ばかりしていたり見栄を張ったりしていると、部下は委縮して「報連相」がしにくくなります。上司自らが過去の失敗や欠点を開示して部下の共感を得るなど、相談しやすい上司になりましょう。
4.責任転嫁をしない
もし部下からの提案を通せなかったとしても、上層部の責任にしてはいけません。提案を通せなかった自分の責任をきちんと認め、次回に向けて対策を練るなどの前向きな姿勢を示しましょう。「この上司になら提案できる」と信頼されることが大切です。
5.小さな約束を必ず守る
部下から「お手隙の時でかまいませんので」「時間のある時に」などと、相談されることもあるでしょう。ただし上司にとって小さな相談だとしても、約束は必ず守りましょう。小さな信頼の積み重ねで、信頼関係は築かれます。

まとめ
職場内において、「報連相」をすることは必須事項です。しかし正しい「報連相」を確実に行うには、自分自身だけではなく、部下や上司のスキルも必要になります。上司が部下に正しい「報連相」の仕方を指導し、部下が適切な報連相を実施してくれることで、報連相が成立します。職場内の全員が同じ目標に向かい効果的な情報共有を行い、生産性を向上させていくことで、お互いがより良い労働環境を作り出すことができるのです。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。
また次回の記事でお会いしましょう!
本記事引用サイト:https://aircourse.com/jinsapo/purpose-communication.html
https://liskul.com/horenso-12509
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